音を怖がるのは珍しいことではない
花火大会や雷が続く季節になると、「うちの子が急に落ち着かなくなる」と感じる飼い主さまも多いのではないでしょうか。大きな音に驚いて震える、隠れる、部屋の中を走り回るといった様子は、犬や猫にとって珍しいことではありません。この記事では、音を怖がる理由と、当日にできる工夫、日頃からの慣らし方をご紹介します。
受診の目安
パニック状態で暴れて自分を傷つけてしまう、失禁する、長時間震えが止まらないといった様子は、様子を見ずに受診を考えたいサインです。
この記事でわかること
- 犬や猫が大きな音を怖がる理由と、怖がりやすい子
- 花火や雷の当日にできる環境づくり
- 日頃からできる音への慣らし方
なぜ大きな音を怖がるの?
犬や猫は人よりも耳がよく、大きな音や振動を敏感に感じ取ります。音そのものへの恐怖に加えて、いつもと違う雰囲気や飼い主の緊張が伝わることで、より落ち着かなくなる場合もあります。
年齢を重ねてから急に音を怖がるようになった場合は、聴力の変化や体の不調が関係していることもあるため、その様子が続くときは受診を考えたいタイミングです。
怖がりやすい子は?
これまでに大きな音で怖い思いをした経験がある子や、もともと警戒心の強い性格の子は、より強く反応する傾向があるといわれています。怖がり方には個体差が大きいため、「うちの子だけ大げさかもしれない」と気にする必要はありません。
当日にできる環境づくり
- カーテンを閉め、テレビや音楽で外の音を和らげる
- 隠れられる毛布やケージなど、安心できる場所を用意する
- 玄関や窓の施錠を確認し、驚いて飛び出さないようにする
- 首輪・迷子札、マイクロチップの情報が最新か確認しておく
脱走は花火や雷の際に特に多いといわれています。パニックになった状態で外に出てしまうと、思わぬ事故につながることもあるため、事前の備えが大切です。
普段から使っているケージやハウスがあれば、その中に入れてあげることで、より安心できる場合もあります。無理に散歩へ連れ出さず、音が落ち着くまで室内で静かに過ごさせるのもひとつの方法です。
日頃からできる慣らし方
音への苦手意識は、普段からの工夫で少しずつ和らげられる場合があります。花火大会や雷が多い時期を迎える前、余裕のある時期から少しずつ取り組むと、当日の負担を減らせることがあります。
- ごく小さな音量から、雷や花火の音源(動画など)に慣れさせる
- 問題なければ、様子を見ながら少しずつ音量を上げていく
- 音が鳴っても普段どおりに過ごす姿を見せ、過度に心配しすぎない
- 音が鳴っているときにおやつを与えるなど、良い印象と結びつける
子犬・子猫のうちから、生活の中でさまざまな音に触れさせておくことも、将来の音への耐性につながるといわれています。
怖がり方が激しいときは?
パニック状態で暴れて自分を傷つけてしまう、失禁する、長時間震えが止まらないといった様子があるときは、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。場合によっては、お薬などで負担を和らげる方法を動物病院で提案できることもあります。
無理に抱きしめたり、必要以上に声をかけたりすると、かえって不安をあおってしまうこともあります。飼い主さま自身も落ち着いた態度を意識しながら、そばで見守ってあげると安心です。
まとめ
大きな音を怖がるのは、犬や猫にとって珍しいことではありません。当日はカーテンを閉めて外の音を和らげ、隠れられる場所を用意し、施錠や迷子札・マイクロチップの情報を確かめて脱走に備えます。日頃は、余裕のある時期から小さな音量で少しずつ慣らし、音と良い印象を結びつけていくことが、当日の負担を減らす備えになります。パニック状態で暴れて自分を傷つけてしまう、失禁する、長時間震えが止まらないときは、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。
獣医師 宍戸優太