猫のおしっこの様子がおかしいとき、まず知っておきたいこと
トイレに何度も入る、鳴きながら排尿する、おしっこの色がいつもと違うといった様子は、猫の泌尿器のトラブルで見られることがあります。猫はもともと水をあまり飲まない習性があり、膀胱炎や尿石症を起こしやすい傾向があるとされています。どんなサインに注意し、どんなときに受診を考えるのかを、おうちでの工夫と受診前の準備とあわせてまとめました。
受診の目安
トイレに何度も入るのに少ししか出ない、排尿のときに鳴く、血尿があるときは、受診を考えたいタイミングです。
この記事でわかること
- 猫に泌尿器のトラブルが多いといわれる理由
- 様子を見てよい場合と、受診を考えたいサイン
- おうちでの工夫と、受診前の準備
猫に泌尿器のトラブルが多いのはなぜ?
猫は祖先が乾燥地帯で暮らしていた名残から、あまり水を飲まなくても過ごせる体のしくみを持っているといわれています。そのぶん尿が濃くなりやすく、結晶や結石ができやすい面があります。
特にオス猫は尿道が細く、結石や炎症で尿道がふさがりやすい傾向があるとされています。尿道がふさがると短期間で命に関わることもあるため、早めに気づくことが何より大切です。メス猫でも膀胱炎そのものは多くみられますが、尿道が完全にふさがるケースはオスに比べて少ない傾向があります。
様子を見てよいのは?
次のような場合は、少し様子を見ても大きな心配はないことが多いです。
- 排尿の回数・量が、いつもとほとんど変わらない
- おしっこの色やにおいに、目立った変化がない
- 気温の高い時期に、水をよく飲んで尿が少し増えている程度
- 食欲や元気など、ほかの様子に変化がない
受診を考えたいサイン
次のような様子は、様子を見すぎず受診を考えたいサインです。
- トイレに何度も入るが、少ししか出ていない
- 排尿のときに鳴く、痛がる様子がある
- おしっこの色が濃い、赤みがかっている(血尿)
- トイレ以外の場所で粗相をするようになった
- トイレで長時間踏ん張っているのに出ない
トイレに何度も座るのに尿がほとんど出ていない、お腹を痛がる、ぐったりしているといった様子があるときは、尿道がふさがっている可能性があるため、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。
おうちでの工夫
水分をとる量を増やす工夫は、泌尿器のトラブルの予防につながる工夫です。
- 水飲み場を数か所に増やす
- 常温の水を用意する
- ウェットフードを取り入れる
- トイレは頭数+1個を目安に、清潔に保つ
はっきりした原因が見つからず、ストレスが関わっているとされる特発性膀胱炎のようなケースもあるため、落ち着いて過ごせる環境づくりも予防の工夫のひとつです。
受診前の準備
受診のときは、次のような情報があると診察の手がかりになります。
- 排尿の回数・量、色の変化をメモしておく
- 可能であれば、排尿の様子を動画で撮っておく
- 猫砂に染み込む前の尿が採れれば、清潔な容器に入れて持参する
- トイレ以外で粗相があった場所・頻度を伝える
採尿が難しい場合は、無理をしなくても大丈夫です。診察の中で、必要な検査を相談できます。
まとめ
トイレに何度も入るのに少ししか出ない、排尿のときに鳴く、血尿、トイレ以外での粗相といった様子は、受診を考える目安です。受診の際は、排尿の回数・量・色のメモや動画が診察の手がかりになります。トイレに何度も座るのに尿がほとんど出ていないときは、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。
獣医師 宍戸優太