犬・猫の咳、まず知っておきたいこと
「コホコホ」「ゲホッ」と犬や猫が咳をしていると、心配になる飼い主さまも多いのではないでしょうか。咳は、気道の中の異物や刺激を体の外へ出そうとする自然な防御反応のひとつといわれていますが、繰り返す咳の背景には、呼吸器や循環器の不調が隠れていることもあるとされています。この記事では、咳の見分け方や来院の目安をご紹介します。
犬や猫の咳は、原因によって音や様子が異なるといわれています。乾いた咳が続く場合と、湿った咳(何かを吐き出すような仕草を伴う)の場合とで、考えられる背景が変わってくるとされています。一時的なものであれば心配のいらないことも多いですが、頻度が増えたり長引いたりする場合は、体の中で何らかの変化が起きているサインのこともあるといわれています。気になる咳が続くときは、様子や頻度をメモしておくと診療の参考になります。
考えられる主な原因
犬・猫の咳の背景には、次のようなものがあるといわれています。
- 気管支炎・肺炎などの呼吸器の炎症
- ケンネルコフ(犬)やウイルス性の上部気道感染症
- 心臓病に伴う咳(特にシニア期の小型犬に多いといわれています)
- 猫の気管支喘息(発作的な咳・呼吸が苦しそうな様子を伴うことがあります)
- フィラリア症など寄生虫が関係するケース
また、咳とよく似た仕草に「逆くしゃみ」と呼ばれる、鼻から急に息を吸い込むような動作があります。短時間でおさまることが多く咳とは異なる生理的な反応といわれていますが、判断が難しい場合は動画を撮っておくと来院時の参考になります。特に短頭種(パグ、フレンチ・ブルドッグなど)は鼻や喉の構造から逆くしゃみが出やすい傾向があるといわれていますが、繰り返す場合はほかの原因が隠れていないかご相談ください。
様子を見ていただいてよい場合
次のような場合は、少し様子を見ていただいても大きな心配はないことが多いといわれています。
- 一時的な咳が数回でおさまり、その後は元気に過ごしている
- 散歩中の興奮やリードの引っぱりなど、きっかけが明確
- 食欲・元気に変化がない
早めのご相談をおすすめする場合
次のような様子がある場合は、様子を見すぎずにご連絡いただくことをおすすめします。
- 咳が数日以上続いている、または徐々に増えている
- 運動後や興奮時だけでなく、安静にしていても咳が出る
- 咳のあとに吐く、または呼吸が速い・苦しそうな様子がある
- 食欲不振や元気消失を伴っている
舌や歯ぐきの色が悪い、呼吸が明らかに苦しそう、失神するような様子がみられるときは、様子を見ずにすぐご連絡・ご来院ください。
来院前にできること
- 咳の頻度・時間帯・きっかけをメモしておく
- 可能であれば動画で撮影しておく(診療の参考になります)
- 咳以外の様子(食欲・元気・体重の変化)もあわせて伝える
心臓に持病がある子や高齢の子は、咳が体調の変化のサインであることもあるといわれています。普段と違う咳が続くときは、早めにご相談ください。市販の咳止めなどを自己判断で与えることは、原因によってはかえって様子を分かりにくくすることがあるため、控えていただくことをおすすめします。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください
「様子を見てもいいのか分からない」というときも、遠慮なくご相談ください。気になる様子が続く場合は、ご来院の際にお伝えください。