目やに・涙が多いとき、まず知っておきたいこと
犬や猫の目やにや涙が増えたとき、その背景には、結膜炎やアレルギー、涙の通り道の詰まり、角膜の傷など、さまざまな原因が考えられます。目やにの色や量、目を痛がる様子があるかどうかが、様子を見てよいか、受診を考えたいかを分けるひとつの目安になります。この記事では、その見分け方と、自宅でのケア、受診前に確認しておきたいことをご紹介します。
受診の目安
目やにが黄色や緑色っぽい、白目の充血やまぶたの腫れがある、目をしょぼしょぼさせたりこすったりするときは、受診を考えたいサインです。
この記事でわかること
- 涙や目やにが増えやすい犬種・猫種と体質
- 様子を見てよいときと、受診を考えたいときの違い
- 自宅でのケアと、受診前に確認しておきたいこと
涙や目やにが増えやすいのは?
顔立ちや涙の通り道の構造によって、涙があふれやすい犬種・猫種があります。たとえば次のような子です。
- 短頭種の犬(パグ、フレンチ・ブルドッグなど)
- 涙やけが目立ちやすい犬種(マルチーズ、トイプードルなど)
- 鼻の低い猫種(ペルシャなど)
- 鼻涙管(涙の通り道)が生まれつき細い・詰まりやすい体質の子
こうした子は、感染や炎症がなくても涙があふれやすい傾向があるといわれています。
また、花粉やほこりの多い時期は、アレルギーや異物の混入で涙・目やにが増えることもあります。目の周りの毛が涙で常に湿っていると、皮膚がただれてしまうこともあるため、早めに気づいてあげることが大切です。
様子を見てよいのは?
次のような場合は、少し様子を見ても大きな心配はないことが多いです。目やにの色と量、ふだんの様子との違いが見分けのポイントです。
- 目やにの色が透明〜薄い茶色程度で、量も少ない
- ふだんと様子が変わらず、頻繁に目をこすっていない
- 片目・両目とも、白目の赤みや腫れが見当たらない
- 涙や目やにの量が、季節や環境で多少変わる程度
受診を考えたいサイン
次のような様子は、様子を見すぎずに受診を考えたいサインです。
- 目やにが黄色や緑色っぽく、粘り気がある
- 白目が赤く充血している、まぶたが腫れている
- 目をしょぼしょぼさせる、開けにくそうにしている
- 前足で目をこすり続ける、床にこすりつける
- 黒目の表面が白く濁って見える
目を開けられないほど痛がる様子や、黒目の表面に傷のようなものが見える場合は、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。角膜の傷は進行が早いこともあるとされています。
自宅でのケアと注意点
目やにが気になるときは、ぬるま湯を含ませた清潔なコットンで、目頭から目尻に向かってやさしく拭き取る程度にとどめます。
人用の目薬を自己判断で使うのは避けてください。
目の周りの毛が長い子は、清潔なブラシで整えたり、必要に応じて短く整えたりすることも、涙による皮膚トラブルの予防につながるといわれています。
受診前に確認しておきたいこと
受診の際は、次のような情報があると診察の参考になります。
- 気になる目が左右どちらか、両目かを確認する
- 目やにの色・量、いつ頃からかをメモしておく
- 目をこする頻度や、痛がる素振りがあるかを確認する
- 思い当たる変化(散歩コース、シャンプー、環境など)をメモする
- ふだん使っているシャンプーやケア用品をメモする
目のトラブルは、原因によって緊急性が大きく異なります。見た目には軽そうでも、実際には炎症や傷が進んでいることがあり、様子を見すぎて症状が進むと回復に時間がかかることもあります。気になる様子が続くときは、受診を考えたいタイミングです。
まとめ
目やにが黄色や緑色っぽい、白目の充血やまぶたの腫れがある、目をしょぼしょぼさせたりこすったりするといった様子は、受診を考える目安です。「病院に行くほどか分からない」と迷うときや、気になる様子が続くときも同じです。受診の際は、どちらの目か、目やにの色・量、いつ頃からか、痛がる様子があるかのメモが、診察の手がかりになります。目を開けられないほど痛がる、黒目の表面に傷のようなものが見えるときは、様子を見ずに動物病院へ連絡してください。
獣医師 宍戸優太