ケガ・歩き方の変化に気づいたら
犬や猫が足をかばう、歩き方がいつもと違うという様子は、飼い主さまが気づきやすい変化のひとつです。原因は爪や肉球の小さな傷から、捻挫、関節の炎症、骨折まで幅が広く、見た目だけでは程度がわかりにくいこともあります。どんなときなら様子を見てよく、どんなときは早めの受診を考えたいのか、その目安と、受診までにおうちでできることを順に見ていきます。
受診の目安
足を地面につけられない、触ると激しく痛がる、腫れや熱があるときや、歩き方の変化が数日続く・悪化しているときは、受診を考えたいタイミングです。
この記事でわかること
- 歩き方が変わるときに考えられる原因
- 様子を見てよいとき・早めに受診したいときの違い
- 受診までにおうちでできるケアと、伝えたいこと
考えられる原因は?
足をかばう・歩き方が変わる背景には、次のような原因が考えられます。
- 爪や肉球の小さな傷
- 捻挫
- 関節の炎症
- 骨折
- 高齢の子では、関節炎など慢性的な変化
活発に動き回る子や、段差の上り下りが多い環境、フローリングなど滑りやすい床で過ごす子は、関節に負担がかかりやすい傾向があるとされています。小型犬では、抱っこしていた高さから飛び降りたときに、足腰へ負担がかかることもあります。
猫は痛みがあっても物陰でじっとしていることがあります。普段と違う場所でうずくまっていないかも、確認しておきたいポイントです。
様子を見てよいのは?
次のような場合は、少し様子を見ても大きな心配はないことが多いとされています。
- 足を軽くかばう程度で、数時間〜半日ほどで普段の歩き方に戻る
- 触っても痛がる様子がない
- 元気や食欲など、ほかの様子に変化がない
歩き方の変化は、軽い捻挫から骨折まで原因の幅が広い症状のひとつです。見た目には落ち着いているように見えても、実際には痛みをがまんしていることもあります。自己判断で様子を見続けると、かえって治りが悪くなることがあるといわれています。
早めに受診したいのは?
次のような様子は、様子を見すぎずに受診を考えたいサインです。
- 足を地面につけられない、まったく体重をかけられない
- 触ると激しく痛がる・鳴く
- 患部が腫れている、熱を持っている
- 出血している、傷口が深い
- 歩き方の変化が数日続いている、悪化している
交通事故に遭った、高いところから落ちたなど、はっきりとした外傷のきっかけがある場合や、足を地面にまったくつけられない場合は、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。見た目に大きな傷がなくても、内部の損傷が心配されることがあります。
受診までのおうちでのケア
ケガをしている様子があるときは、無理に歩かせず、できるだけ安静に過ごせるようにします。
出血がある場合は、清潔なタオルで軽く押さえる程度にとどめます。傷口を消毒したり、自己判断で薬を塗ったりすることは控えます。
- 移動は無理に歩かせず、キャリーやタオルに包んで運ぶ
- 滑りやすい床には滑り止めマットを敷き、移動の負担を減らす
受診のときに伝えたいこと
受診の際は、次のような情報が診察の参考になります。
- どちらの足に変化があるか
- いつから気づいたか
- 思い当たるきっかけ(段差から飛び降りた、遊んでいて捻ったなど)
- 普段の運動量や生活環境(階段・段差の有無など)
まとめ
足を地面につけられない、触ると激しく痛がる、腫れや熱がある、歩き方の変化が数日続く・悪化しているといった様子は、受診を考える目安です。「病院に行くほどかわからない」と迷うときも同じです。受診までは無理に歩かせず安静にし、どの足か・いつからか・思い当たるきっかけをメモしておくと、診察の手がかりになります。交通事故や落下など、はっきりとした外傷のきっかけがあるときは、様子を見ずに動物病院へ連絡してください。
獣医師 宍戸優太