ブラッシングやスキンシップで気づく、皮膚のしこり・できもの
日々のブラッシングやなでているときに、犬や猫の体に小さなしこりやできものを見つけて驚くことがあります。皮膚や被毛に触れる機会が多い飼い主だからこそ気づける変化で、決して珍しいことではありません。見つけたときの記録のしかたと、受診を考えたいサイン、診察の一般的な流れをまとめました。
受診の目安
短期間で急に大きくなったとき、出血があるとき、痛がる様子があるときは、受診を考えたいタイミングです。
この記事でわかること
- しこり・できものを見つけたときの考え方
- おうちで記録しておきたいこと
- 受診を考えたいサインと、診察の一般的な流れ
しこりは見た目で判断できる?
加齢とともに皮膚にできものができやすくなる子もいるといわれており、犬・猫ともに年齢を重ねるほど見つかる機会は増える傾向があります。まずは慌てず、どこに・どのくらいの大きさで・どんな触り心地かを確認するところから始められます。
皮膚のしこり・できものには、体に大きな影響を与えないまま経過するものも含まれます。一方で、注意が必要なものが含まれる可能性もあり、色や硬さ、大きさといった見た目の印象だけで良性か悪性かを判断することは難しいといわれています。実際に何であるかは、検査で確認していくことになります。
「小さいから大丈夫」「やわらかいから心配ない」と自己判断せず、気になる変化に気づいた時点で受診を考えるのが目安です。
気づいたときに記録したいこと
気づいた時点で、次のような点をメモや写真で記録しておくと、受診の際の手がかりになります。
- できた場所(体のどのあたりか)
- 大きさ(定規などで測っておく)
- 硬さ(硬い・弾力がある・やわらかいなど)
- 表面の様子(毛が抜けている、赤みがある、色が濃いなど)
- 気づいてからの変化(大きくなってきた、増えてきたなど)
スマートフォンで日付入りの写真を撮っておくと、大きさや色の変化をあとから比較しやすく、診察の際にも役立つといわれています。数週間おきに撮り足しておくと、変化の速さも伝えやすくなります。
自分で触るときの注意
気になるできものを見つけると、触ったり、つぶしたくなったりすることもあります。ただし、自分でつぶす・強くこする・毛を無理に刈るといった対処は避けたい行動です。刺激によって炎症を起こしたり、出血につながったりすることがあります。
市販の消毒薬や人用の軟膏などを自己判断で使うことも避け、対応に迷うときはそのままの状態で診てもらうのが基本です。
受診を考えたいサイン
できものの存在自体が、すぐに深刻な状態を意味するとは限りません。次のような様子がみられるときは、受診を考えたいサインです。
- 短期間で急に大きくなってきた
- 出血がある、湿った状態が続いている
- 痛がる様子がある、触られるのを嫌がる
- 赤みや腫れが周囲に広がってきた
- 数が増えてきている
短期間で急速に大きくなる、出血が止まらないといった様子があるときは、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。
診察・検査の一般的な流れ
診察では、まず視診・触診で場所や大きさ、硬さ、皮膚との動きやすさなどを確認します。必要と判断された場合には、細い針でしこりの一部の細胞を採取して調べる「細胞診」などの検査が行われることがあります。
検査が必要かどうか、どの程度詳しく調べるかは、しこりの状態によって異なります。経過観察が適切なケースと、詳しい検査を考えるケースがあり、診察の中で説明を受けられます。
経過観察となった場合も、大きさや硬さに変化がないか、おうちで定期的に確認しておくと安心です。次の受診時に、前回との違いを一緒に確認することもあります。
まとめ
短期間で急に大きくなる、出血がある、痛がる、赤みや腫れが広がる、数が増えるといった様子は、受診を考える目安です。見た目だけで良性か悪性かは判断しにくいため、場所・大きさ・硬さのメモや日付入りの写真が、診察の手がかりになります。短期間で急速に大きくなる、出血が止まらないときは、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。
獣医師 宍戸優太